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METHOD&THEORY 土台となる手法と理論

「めげない心・折れない心」を育むプログラムの
根幹となる主な手法

絵の読み解き術 Art Reading

子どもが自由に描いた絵にはその「ココロ」(気持ち)が表れることが、近年の心理学の研究でわかってきました。特に幼児の絵には言葉では表現できない思いが、「色」「形」「描き方」「使う素材」「モチーフ」など色々な形で表現されています。そんな「絵」を色彩心理を基にした「読み解き術」で分析し、日々の生活に照らし合わせて、子どもの「心の声」を読み解いていきます。

私たちは色に囲まれて生活しています。普段はあまり意識していないかもしれませんが、「色」が人の体や心に影響を与えていることが、近年の研究で明らかになっています。 たとえば「赤」は「交感神経」を刺激して、体温や脈拍、血圧を上げる効果があるとされています。また「ココロや体を突き動かす強いエネルギー」を引き起こす色であり、「生命」「血」などを連想させる食欲や生きる力を高める色でもあります。 子どもが「赤」を選んだ時は、「やる気に満ちた」元気な状態、もしくは「心理的な強い衝動」を抱えている状態などが考えられます。

それ反して「青」は「副交感神経」を刺激して、体温の低下や痛みの緩和など、鎮静作用があり精神的に落ち着かせる作用があるとされています。そのため「集中力」や「冷静さ」など理性的なものを象徴するとされています。子どもが「青」を多用する時は、「自分でやりたい!」という「自立心」や「集中状態」を表す場合や、「周囲の状況に合わせて自分の気持ちを抑えている」ようなこともあります。

また、子どもの絵に表された「モチーフ」や「構図」「大きさ」などからもその「ココロ」を読み解くことができます。子どもは自分が興味のあるもの、心惹かれているもの、気になっているものを強調して表現することがあります。 たとえば「父」の象徴である「太陽」をどの位置に、何色でどんな風に描いているかで、その時の心情(楽しい、嬉しい、寂しい、怖い等々)を推し量ることができます。 それ以外にも、小学校入学などの転機などには、新しい世界に対する希望と喜びを「空を飛ぶもの」(飛行機・鳥など)を描くことで、その気持ちを表現することがあります。また、今まで気がかりだったこと等が好転して晴れやかな気持ちになった時には、きれいな「虹」が出ることもあります。

このようにそれぞれの「色」には、色彩心理的な意味(プラス面、マイナス面)があり、「モチーフ」や「構図」にも何かしら意味があります。子どもは無意識にその時の体調や心理状態に合わせて使う色を選び、描きたいものを描いているので、「色」の意味や「モチーフ」「構図」に隠された無意識の意図を分析ていしていくことを、その「ココロ」を読み解いていく手段の一部としています。

「めげない心・折れない心」を育むプログラムは、子どもが描いた絵を実際にご持参いただいて、「画材」「色」「構図」「強調しているところ」「省力しているところ」等々さまざまな観点から「絵を読み解き」子どもの「ココロ」に近づき、今の心の状態を見極め、子育てのヒントにしていただくことを目的としています。(→詳細は「人育てコラム」へ)

自立力を養うための関わり方 自立型支援方法

「めげない心、折れない心」を育むには、現実をしっかり受け止め、自ら考え行動する「自立」の意識が大切な要因となります。そんな自立力を育む関わり方が「自立型支援方法」です。

自立について

「自立」とは
自らの人生や仕事において、「自分が選択している」という意識があり、その選択に責任を持っていること。
「自立した人」とは
一人ひとりが自分で考え、壁を乗り切る力を身につけている人。
何か問題が生じたとき、他人への責任転嫁(他責)ではなく、つねに当事者意識を持ってあたれる人。
「成熟(自立)した組織」とは
組織自体に問題解決する能力があり、協働の雰囲気を大切にし、必要なときに改善に向けて話し合う力があること。
一人ひとりの力が十分に発揮されていること。

自立型支援方法

  1. 私は「人はいつも最善を選択している」という前提で人と関り続ける
  2. 2.私は自分の思い込みを一旦はずし、そのままの相手をしっかり受け止める
  3. 私は相手が尊重されていると思う聴き方をする
  4. 私は相手の中の答えを、効果的な質問で引き出す
  5. 私は評価的な表現でない言葉で相手を承認、認知する
  6. 私はコミュニケーションの意図について、いつも意識を向ける
  7. 私は自分の成功体験、情報を押し付けにならないように提案する
  8. 私は「他人の能力、可能性は決められない」ことを知っている
  9. 私は過去と他人は変えられない、人はみな違う(人は見たいようにみるし聞きたいように聞く)ことを知っている
  10. 私は人間関係を破壊する7つの習慣を使わないように意識する
    (1)批判する (2)責める(3)がみがみ言う (4)文句、苦情を言う(5)罰する(6)脅す (7)コントロールするために褒美でつる
  11. 11.私は信頼関係を構築するために、いつも安心感のある安全な場を作り出す
  12. 私は相手を常に勇気付け、責任を取る権利を奪わない
  13. 私は失敗したと感じることも、常に学びの種に変える
  14. 私はいつもどのような時も、自分が世の中に必要な存在だと知っている

NPO法人マザーズサポーター協会「自立型支援方法」より

「経験は宝」とよく言いますが、人は失敗も含め、色々な経験を経てたくさんのことを学んで成長していきます。何か問題が生じた時に、「どうしたらよいのか」考え、悩み、時には苦しい中から解決策を見出して乗り切っていく経験が、「めげない心・折れない心」や、「自立力」を育んでいきます。

人を育てる立場の私たちは、「そんな力を養う場を奪わない」という意識を持って向き合うことが大切です。もちろんその子(人)の手に負えないようなことであれば、寄り添い、共に考え、サポートしていくことが必要なこともあります。 人を育てていくにはそんなこんなをしっかりと見極めながら関わっていけるといいですね。

Adomani のすべてのプログラムは「自立型支援方法」をベースに構成しています。

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